コーケントーとは?
コーケントーとは可視総合光線療法の一種であり、人工光源を使用して可視光線を浴びる事により病気の治療、健康維持を目的としたものです。
古来以来、人類そして地球上の生物は太陽のエネルギーの恩恵で生きています。その太陽光を浴びる事により病気の治療、健康維持をしようとする歴史があり紀元前より行われている。それを、応用し、黒田保次郎氏により考案された光線療法器がコーケントーである。
当然ながら、身体に害のある成分は取り除かれている。
光線療法の歴史
- 紀元前3000年の古代ギリシャでは日光浴場(ソラリウム)が作られ、人々が健康増進のために利用していました。 また紀元前1360年、エジプトの王が日光浴している様子が石版に彫刻されています。
- 医学的に用いられた歴史を辿ってみましょう。 医学の父、疫学の祖と呼ばれるヒポクラテスは日光を使い骨折や疫病などさまざまな治療を行っていたことがわかっています。そしてギリシャのコス島に作った病院(健康院)は日光療法のためのものでした。 紀元前400年頃のことです。
- その後、キリスト教を主体とする中世ヨーロッパの時代になると日光療法は衰退しましたが、14世紀になると大流行した黒死病の殺菌消毒のために日光療法が用いられたことから、また 太陽光の力が見直されました。
- さらに時代は進んで19世紀。 ナイチンゲールが看護師として活躍したクリミア戦争。 野戦病院で屋内に収容しきれず、外で治療をしていた傷病兵のほうが回復が早いことに気がついたナイチンゲールは、積極的に屋外治療を行ったと言われています。
- その後エジソンによって人工光源が発明されると、19世紀末、公園の街灯の下で暖を取るホームレスの病気回復が早いことに気づいたデンマークの医師、 ニールズ・フィンゼン博士によってカ ーボンアーク灯が発明されます。
- このカーボンアーク灯により根治不可能だった尋常性狼瘡(皮膚結核)治療の実績が評され、 第3回ノーベル医学生理学賞を受賞されました。
日本での歴史
- 日本では二人の人物によって本格的な光線療法の研究が始まりました。 一人は東大医学部名誉教授の土肥慶蔵博士。 彼は明治41年にフィンゼン式のカーボンアーク灯を持ち帰り東大皮膚科で治療に使い始めました。
- そしてもう一人、黒田保次郎氏。 彼はなんと米や肥料を扱う米穀商人でしたが、50歳頃になって胃がん末期の友人が日光療法でがんから回復していく様を見て驚き、 私財をはたいて突然光線研究の道に入りました。昭和2年のことです。
- 当時、フィンゼン博士の功績である光線療法の本質は紫外線によるものとされ 現代医学においても紫外線による殺菌効果は広く認められ、治療に用いられています。 しかし黒田氏は偶然による発見から、 紫外線以外の光の作用に気づき理化学研究所の二神哲五郎理学博士のもとを訪れたのです。
- そしてこのように回顧しています。 「光線研究に重大な関係がある一点は 『可視線の反射』である」とご指摘をいただいた。その後五年間ドイツからのカーボンについて改良改善を加 え、研究により、生物体内外にある色は同じ色を反射除外して、他の可視線と近赤外線とを総合して日常生活に資することを発見した」(黒田保次郎著 『遺伝と光線』101ページ)と記されています。
太陽の恵み
古来より私たちは太陽光線の治療効果を経験的に知っており日光浴は病気治療の一つの手段となっていました。 近年では人体に及ぼす光の影響についての科学的解明が進んでおり、例えば、くる病の原因が日照不足であること(日照不足→ビタ ミンD不足→カルシウム不足→くる病)や、ホルモン分泌への影響 (月経や性衝動の減退)、自律神経や精神活動への影響(日照時間が短い季節のうつ病症状など)はよく知られたところです。すなわち、人間は水(食物)や空気を必要とするのと同じく、元来、光 (太陽)を必要としているのです。
コーケントーを詳しく
太陽光線のように、赤外線、可視光線、紫外線の全ての波長を連続的に含んだ光を「可視総合光線」と呼んでいます。光はそれぞれの波長ごとに人体への効果が異なります。赤外線治療や紫外線治療など特定の波長のみを取り出して治療に使う方法も広く使われていますが、人間に本来備わっている自然治癒能力を増進させる目的においては可視総合光線が最も適しているといえます。 ここでとり上げる可視総合光線は、治療器用カーボン電極をアーク放電させて得られるカーボンアーク光を光源としています。カーボンアーク光は太陽光と同じ連続光でありながら、人体に有害と言われる短波長の紫外線を含まない「人にやさしい光」です。本治療法はカーボンアーク光を適切に人体に照射することにより、免疫力を高めて人が本来持つ自然治癒能力を増進させ、健康増進や病気の症状を回復・軽減させようとするものです。 光照射の作用メカニズムが科学的に解明されている傷病については万人への効果が期待できるといえます。一方、個人の体質によって効果に差が見られる場合もあります。このことは現代医学の主流を占める西洋医学においても同じです。しかし、可視総合光線療法はさまざまな傷病でお悩みの方々に一つの解決策を提供しているのは間違いありません。
光線治療では、アーク放電で発せられる光を用います。この光のスペクトル分布は太陽光線のそれに近く、人工太陽と呼ぶにふさわしいものです。このためこの光は光線治療の他にも様々な工業材料の太陽光暴露試験等にも使用されてもいます。 人工光源による治療は、光線療法、アーク療法など、様々な名称で呼ばれていますが、いずれもアーク放電による光を利用しています。光線療法とは、人工的に可視光線を中心に遠赤外線から紫外線まで連続スペクトルを発生させ、身体の内外部に照射する物理療法です。光線治療は、強力な光線を人工的に発生させるカーボン灯 (Finsen- BogenLampe)を発明したデンマークのニールス・R・フィンセン (Niels Ryberg Finsen) が、1903年、狼瘡(lupus vulgaris)をはじめとする種々の病気に対する光線治療法の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞するなど、科学的に認められた治療法です。日本にはドイツを経て昭和5年頃導入され、現在に至っています。